07th 10月
TT cafe 2014年度2回目の開催
日時:9月27日(土)16:00〜18:00
場所:大阪市中央区南本町「サエラ」
講師:鈴木洋行氏
テーマ:鎮説!わたしのワタ物語
鈴木洋行氏は、42年間にわたり紡績会社で、さまざまな綿素材の開発に従事されました。綿の歴史や品種のお話し、開発当時の挫折や模索のお話し、そして自然との共生や21世紀の問題にいたるまで、多岐にわたりました。
古代より使われているコットンですが、綿が日本に到来したのは文献によると799年、それまでは麻とシルクを使っていたそうです。世界各国で綿花の生産はされていて、日本の綿花輸入量はやはりアメリカがトップ。種類は超長繊維綿から短繊維綿まであり、超長繊維はエジプト綿の仲間達に入っている。超長繊維の生産比率は3%で、ごくわずかな高級原綿である。綿実(コットンの種子)の産毛はリンターと呼ばれる短い繊維で、紡糸加工されてキュプラになる。産毛にふんわり包まれた綿実を見せて頂いた。
植物原料のワタの現物サンプルを見せていただきながら説明を受けた。1、ケナフ 2、カポック3、竹繊維 4、ヘンプ 5、月桃 6、和紙 7、ラベンダー 8、イグサ。繊維長が短いものも多く、綿との混紡をする時には大変苦労されたとか。布地になったサンプルも有り、それぞれの特性が有るので触ってみるとその違いがわかる。
植物に関わるということは、環境問題に目を向け地球や人類の先行きを考えることに繋がるのだと勉強させてもらった。人類の危機からデザイン哲学まで話しは重厚長大となり、いつも俯瞰で物事を見てられる鈴木洋行氏らしいお話でした。
最後に、生命科学者の中村桂子氏の「21世紀は面倒と向き合う決心が必要な世紀である。」ということばで締めくくられました。
レポート 神沢
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